ウェルカム上野もとしろ

6次産業とは

第6次産業がイメージできる古代エジプトの壁画
(ワイン作り)
上段:ぶどうの栽培 中段:ワインへの加工 下段:運搬、輸出

第6次産業とは

スーパーの生鮮売り場で野菜を買うとだいたい一束100円前後の値段で買うことができます。スーパーの利益や運送、袋詰、生産そのものにかかる費用などをさっぴくとお百姓さんに利益は残るのか?と私は考えてしまいます。そこで、衰退していく日本の農業を活性化しようと考えられたのがこの「第6次産業」という考え方です。
中学校くらいで習った産業分類が基本になっていたので復習してみました。

第1次産業 自然界に働きかけて直接富を得る仕事 農業・漁業・林業
第2次産業 1次産業が生み出した原材料を加工して富を作りだす仕事 製造業・建設業・工業・鉱業
第3次産業 1次にも2次にも属さない商業やサービス業と言われる仕事 小売業・運輸業・情報通信業・電気・ガス・教育・福祉・金融・不動産など

では、第6次産業とはどういうものなのか?というと1次産業である農業者が原材料としての農産物の提供だけにとどまらず加工、販売等の2次、3次産業に向かって事業展開を行いより多くの付加価値を作り出し利益を生むという考え方です。
そして1次産業である農業者が2次、3次産業にも一貫して取り組むという意味でそれぞれの数字を掛け合わせた6を使ってできたのが第6次産業という新しい言葉です。

6次産業の考え方
6次産業の考え方

*1,2,3の数字は足しても6になるのですが掛け算の方がありがたい気がしたので掛け算を使用又第4次産業、第5次産業は無いことも判明しました。

農村の産業革命・・
第6次産業化

第6次産業は第1次産業で生み出した農作物を発端に川下の2次、3次産業に展開していくことにまちがいはありませんが、多種多様な3次産業側から農業にまつわるものを考えてみるとスケールの違う「第6次産業化」というものが観えてきます。

第6次産業化
第6次産業化

例えば観光業を考えた場合、欧州で普及している農村に滞在してバカンスを楽しむグリーンツーリズムへの取り組みとして観光農園や農家民宿が考えられます。この場合農産物だけではなく自然、文化、人々との交流といった無形のものも重要になってくるのです。つまり第6次産業化とは農村地域のあらゆる資源を有効に活用して農業・農村の活性化を目指すことです。又ある地域内の資源を利用したすべての活動が同一地域内を中心に実施されていることが重要なポイントです。

具体策としての第6次産業化を考える場合、その発想の元となるいくつかのキーワードを紹介します。

キーワード 考え方
経営の多角化 従来の専業、兼業という農家形態にとらわれず、又物財としての農産物の供給だけではなく広くサービス内容を含む活動を行う。
農村マーケット化 農村の場所・農村で生産したもの(農産物や加工品)・農村の人の心を総合して提供する活動を行う。
直売活動 複数の農家で農産物・加工品を持ち寄り新鮮で安いという消費者のニーズに対応し地元や周辺の消費者にけいぞくして販売活動を行う。
都市と農村の交流 都会の人のレクレーションの要望に即した農産物の販売、農作業体験、宿泊、食事など農村の地域資源を活用した活動を行う。
地域内発型 地域が自らの創意工夫に基ずいて地域内で原料生産から加工・販売・サービス提供に至る価値連鎖を形成する活動を行う。
農商工連携 産業間の連携を図ることにより地域のブランド化や新商品の開発など地域経済の底上げと自立を目指す活動を行う。
女性起業 農村在住の女性やそのグループが中心となり地域の食文化や伝統を取り入れた活動を行い地域を先導する。

*農商工連携は一見第6次産業と矛盾する考え方ですが「農村地域のあらゆる資源を有効に活用して農業・農村の活性化を目指す。」という6次産業化の概念にはあてはまるのでキーワードに加えました。

以上のキーワードを踏まえ農村の産業資源を有効活用した第6次産業化を考えます。

農村の産業資源を有効活用した第6次産業化
農村の産業資源を有効活用した第6次産業化

*バイオマスエネルギー・・・化石燃料ではなく生物起源の持続可能な循環型の資源を利用したエネルギーで農村部では藁、麦藁、もみがら、畜糞、穀物そのものなどが考えられます。

電話は0771-82-2020まで